Category Archive:裁量権

医療行為は基本的に医師資格がないと行うことができません。一部の看護師にもできることがありますが、限定的なものです。たとえば、看護師による医療行為は医師の指導の元でなければできないなど制限が加えられています。

こうした厳しい制限が加えられているのにはもちろん理由があります。どんなに経験豊富なベテランの看護師であっても、医学部で勉強をして医師国家試験を合格していないので患者の安全を保てないからです。間違いがないと分かっていても、それでもルールとして医療行為には医師資格が求められるのです。こうした点は、現代の人手不足の病院においては足かせになっているという指摘もあります。簡単な治療であれば、看護師にもできるようにしようという動きが各所で広がっています。

海外ではすでに看護師にもある程度の裁量権が認められていて、ときには医師よりも有能な働きをする場合も見受けられます。日本も早く海外のようなフレキシブルな体制にならなければ、高齢化によってますます深刻な人手不足に陥ることが懸念されています。

病院の人手不足の度合いは日々深刻度を増し、その証拠にインドネシアやフィリピンからも看護師を受け入れているのが実情です。こうした問題点を解決するための一つの方法として、看護師の裁量権アップが強く求められています。看護師の数や医師の数を増やしていく努力も必要ですが、制度をより柔軟にすることはさらに重要度が高いといえるでしょう。